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澱みに浮かぶベージュの蛇 -A Floating Beige Snake on Deposit

もやもやっと、水面から顔を出してます。 みそじ系。

2024'03.19.Tue
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2008'10.03.Fri
唯一ハードカバーでも買う好きな作家ですが(最近は森博嗣のスカイ・クロラシリーズもハードカバーで買ったが)、最近は鬱々とした傾向が尖がっています。 今作も鬱々とさせてくれます。現実逃避のために小説読んでるのに、現実見せられても困るよッと撥音を使ってみたり、といいってもこれは撥音じゃありません が・・・。

最後が救いなのか?救いなのか?失うことが人生か?(かなりネタバレ)という読後感想文です。
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2008'10.03.Fri
再読了。面白いんです。が、納得いかないのが・・・天才の立てた完璧な計画の穴ですよ。容易に想像がつくあのラスト、何とかなんなかったのですか ねぇ。多分、何とかなったのでしょうが、「これくらいの方が映像化しやすいだろ」とか思って手を抜いたんじゃないのか疑惑。それとも数学の天才でも人の心 はわからないって言いたいのか?むーん。面白いので良いのですが。


2008'10.03.Fri
冬狐堂シリーズの短編集。芸術関連の知識ゼロでもこれだけ面白く読めるから、前提知識があればもっと面白いんだろうなぁと想像。しかし、 この短編1つ書くのにどれだけ下調べが必要なんだろう、と。良い作品を読みました。後に行くほどレベルが上がって行く希有な短編集。
2008'04.02.Wed
ピーター・ラヴゼイ「マダム・タッソーがお待ちかね」読了。
久しぶりの翻訳物。ピーター・ラヴゼイと言えば「偽のデュー警部」だけれども、あまり面白いと感じられなかった。読んだのがだいぶ前で、翻訳物を読み慣れていなかった、ということが大きかったのかもしれない。
しかし「マダム〜」は面白かった。つかみで大きく心を奪われた。最初の4ページ。そこから最後まで、ヒロイン?の死刑囚が何を考えているのか、と いう興味だけで引っ張られていった。主人公のクリップ部長刑事も、常に「死刑囚はどんな人物なのか」という点を追って行くので、感情移入ができるという か・・・。引っ張って引っ張って引っ張って、最後にいろんな意味で爆発しましたね。

あとは死刑執行人がちょろちょろ動くのも面白い。
クリッブ部長刑事が、プレーンな表記なのに魅力的なんだよなぁ。別に何か普通じゃない能力があるわけでもないんだけど。他の作品も読みたくなりました。

原題はWaxwork。蝋人形?でもこの邦題は秀逸。
あんまり長くない(270ページくらい)のに読むのに結構時間がかかりましたね。翻訳物の宿命というか・・・。
2008'03.18.Tue
アリア系銀河鉄道から始まった三月宇佐見シリーズ(?)。
前作が面白かったので、文庫落ちして即買い即読み。いきなりがエッシャーの絵の世界でのルール上の殺人を扱っていて、前作からの「不思議な世界」での設定ミステリは引き継いでるんだ〜と嬉しくなりました。

「エッシャー世界」は、作中作も良いのですが、外側も(思いはつかない回答だが)納得感のあるものでした。ここからはどんどん訳がわからなくなって行くのですが・・・。

「シュレディンガーDOOR」は設定がガジェットてんこ盛りで燃えたのですが、ラストが猫状態。この本のメイン作品だと思うのですが・・・。

「見えない人、宇佐見風」は、お口直し。といっても、枠の趣向が面白かった。作中作では見事にミスリード(?)されたし。この中で、「アレ?」と思う箇所があって、この短編内では解決されなかったので流してたら・・・。

表題作の「ゴーレムの檻」は、作品の雰囲気がトリック。現代の事件と、不思議世界の事件の両方が進むというのは良くありますが、現代の事件は、次の作品へのつなぎと、不思議世界の事件の象徴として使われています。脱出劇よりも、ノーマンの方が面白い。

「太陽殿のイシス」は「ゴーレムの檻 現代版」の副題がついているとおり、似たような状況からの脱出劇。「ゴーレムの檻」と同じく、監視状況からの脱出のトリックよりもそれ以外の部分の方が格段に面白い。そして、ラストが「???」な記述が。

読み終わって、「滝」や「上昇と下降」の絵を見てみようと持っているエッシャーの画集をぱらぱらめくったら、「相対性」の項の中にあった「もう一 つの世界」という絵がありました。これを見た瞬間、「あ、この本のモチーフはこの絵だ!」と直感的に思いましたよ。「エッシャー世界」にでてくるような建 物の絵で、タイトルが「シュレディンガーDOOR」を象徴する「もう一つの世界」。人面鳥3羽が、それぞれの壁面の窓枠?にあたるようなところにそれぞれ の方向で立っていて、その外側は地球外のような風景。

絵と解説と感想ブログを見て、やっぱりAnother worldだと(絵のタイトルはOther worldだが・・・)。この本のもう一つ外側の構造が見えて、「見えない人〜」で引っかかっていた点が何となく理解できました。次回作ではどんな趣向になるのか楽しみ。
2008'01.05.Sat
2007年は記録しているだけで81冊の本を読みました。リストはこちらを参照。ビジネス書とか、資格テキスト・問題集はほとんど書いていないので、実際はもう少し読んでます。それにしても推理小説の割合が高い・・・。

月別で見ると、4月と7月が11冊と最多。逆に5月は2冊、12月は3冊のみ。4月といえば転職活動の真っ最中、7月は転職後すぐ。多忙だけれ ども積極的な精神だったのでしょう。5月は出張があって物理的に時間が少なかったこと、転職が決まって飲みに行く機会が増えたことが原因か。12月も飲み 会と、試験勉強が原因と見られる。

2007年、印象に残った本ベスト5は↓。順不同。
有栖川有栖「女王国の城」
・高田崇史「QED 六歌仙の暗号」
柄刀一「アリア系銀河鉄道」
西澤保彦「収穫祭」
・森博嗣「スカイ・クロラ」シリーズ完結

あとは源氏物語か。

2008年は、
●100冊本を読む。
●面白いものはレビューを書く。(貶さないのが前提。)
●推理小説の割合を増やさない(普通の本、ほとんど読んでない・・・)。

を目標に。
2008'01.04.Fri
(βバージョン)

 この作者の前作「イニシエーション・ラブ」もかなり楽しませてもらいましたが、帯に「あの『イニシエーション・ラブ』より驚けます。」とあったのはちょいと言いすぎ。驚けなくても楽しめます。

 記憶を持ったまま10ヶ月前に戻ってやり直せる、というのが今回の設定。帯にも「リプレイ」+「そして誰もいなくなった」との煽りがあるし、本文中にもグリムウッドの「リプレイ」が言及されている。解説には、さらに「時をかける少女」(原田知世大好きです)、「タイムリープ」、「七回死んだ男」などたくさんの同様の設定の作品が書かれています。自分の敬愛する西澤保彦の「七回死んだ男」、自分の敬愛する原田知世主演「時をかける少女」、結構楽しく読んだ思い出のあるグリムウッドの「リプレイ」の設定ときたら、はまらないわけない!と思いましたね。これに加えて、実は設定を見てすぐに思いついたのは北村薫の「ターン」だったりします(これはも自分が敬愛する牧瀬里穂主演で映画化されてますね)。こちらは1日を延々と繰り返すお話ですが。

 「七回死んだ男」や「リプレイ」、「ターン」と違うのは、これらの主人公はいやでも時を繰り返してしまうのに対し、「リピート」では繰り返すか繰り返さないかを選択できる点。そしてこのファクタが主人公の精神状態の推移に大きく影響を与えています。ここがこの小説で一番面白いと思ったところです。10ヶ月前に戻って、上手いことやればそのままその状態を維持して新しい生活に向かえるわけです。いやならもう一度10ヶ月前に戻ればよい。ただ、その世界はパラレルに流れていってしまう別な世界になってしまう。主人公は逡巡する。自分ひとりなら戻りたいけど、そのターンの中で築かれた関係は元には戻らない。そして、自分の記憶・経験もいやがおうにも蓄積していってしまうのである。ここら辺の心の動きに共感。

 トリックも目が覚めるようなものでした。世界が反転するような。ま、自分が注意力散漫な状態で読んでいたような紋だったかもしれませんが。ちょっと引っかかるところがありましたがそれよりも納得感の方が強かった。

 最初の設定の部分が少々長いけれども、設定オタにはたまりません。その後の展開は速い速い。一気に読みきりました。SF的な設定に嫌悪感のない方ならかなり楽しめると思います。
2008'01.03.Thu
下半身に障害をもつ男性が探偵役、女性介護士がワトソン役となって進む短編集。

障碍者(ここでは「チャレンジ・パーソナル」って言われています。)が主人公なだけあって、短編に横筋を通しているのが障害者の問題。障碍者自身の問題と、障碍者に対する考え方を毎短編でいやというほど考えさせられます。

その割に読後感が軽いのは、作者の語り口のソフトさが効いているのでしょう。語り口だけで行けば日常の謎っぽいのを扱うのか、と思っていたらほぼ前編で殺人が出てきたのが意外でした。

「百匹目の猿」という作品だけ毛色が違い印象が残りましたが、解説で「21世紀本格」への書き下ろしだと書かれていました。他の短編は割とかっち り書かれている(推理の部分はガチガチではなくて、発想の飛躍で意外な結論にたどりつくものが多いですが)のに対し、この作品はだんだんと夢の中に入って いくような不安な状態のまま推移していきます。そこにいろんな論議が登場して彩りを添える形。

表題作「レイニー・レイニー・ブルー」も好きですね。登場人物の動きに共感しちゃいます。挿入されている障碍者の性行為についての小話も始めて知る話だったので驚きました。

探偵役もそうだし、ワトソン役の介護士も毒を見せて、思考停止的・性善じゃないところも軽快に読み進められるポイントじゃないかと。
2008'01.01.Tue
【2008年に読んだ本】

10月
  • 3日 アシモフ「小悪魔アザゼル18の物語」

9月
  • 森博嗣「まどろみ消去」(再読)
  • 25日 森博嗣「目薬αで殺菌します」
  • 26日 西澤保彦「夢は枯野をかけめぐる」
  • 27日 北森鴻「瑠璃の契り」
  • 28日 東野圭吾「探偵ガリレオ」

8月
  • 高田崇史「パズル自由自在」
  • 道尾秀介「向日葵の咲かない夏」
  • 東野圭吾「容疑者Xの献身」
  • 米澤穂信「クドリャフカの順番」
  • 西尾維新「クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子」


7月
  • 高田崇史「パズル自由自在」
  • 近藤史恵「賢者はベンチで思索する」
  • 米澤穂信「春期限定いちごタルト事件」(再読)

6月
  • 西尾維新「クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識」
  • 矢崎存美「ぶたぶたと秘密のアップルパイ」
  • 石持浅海「セリヌンティウスの舟」
  • 古川日出男「ベルカ、吠えないのか?」
  • 米澤穂信「クドリャフカの順番」
5月
  • 1日 小方厚「音律と音階の科学」
  • 9日 ローリー・リン・ドラモンド「あなたに不利な証拠として」
  • 21日 森博嗣「工学部・水柿助教授の解脱」

4月
  • 6日 谷原秋桜子「天使が開けた密室」
  • 13日 竹本健治「囲碁殺人事件」
  • 18日 西尾維新「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」
  • 27日 佐藤友哉「水没ピアノ 鏡創士がひきもどす犯罪」
  • 28日 森博嗣「どきどきフェノメノン」
  • 28日 西澤保彦「腕貫探偵、残業中」

3月
  • 2日 鯨統一郎「みなとみらいで捕まえて」
  • 2日 加納朋子「てるてるあした」
  • 9日 島田荘司「龍臥亭幻想 上」
  • 9日 島田荘司「龍臥亭幻想 下」
  • 11日 我孫子武丸「弥勒の掌」
  • 12日 米澤穂信「犬はどこだ」
  • 14日 森博嗣「森博嗣の道具箱」
  • 17日 柄刀一「ゴーレムの檻 三月宇佐見のお茶の会」
  • 18日 高田崇史「QED 鬼の城伝説」
  • 18日 司馬遼太郎・井上ひさし「新装版 国家・宗教・日本人」
  • 19日 大野あい「十一月の扉
  • 21日 有栖川有栖「モロッコ水晶の謎」
  • 21日 鯨統一郎「タイムスリップ釈迦如来」
  • 22日 森博嗣「工作少年の日々」
  • 23日 北山猛邦「『瑠璃城』殺人事件」
  • 30日 ピーター・ラヴゼイ「マダム・タッソーがお待ちかね」

2月
  • 3日 柄刀一「fの魔弾」
  • 10日 よしもとばなな「とかげ」
  • 16日 宋文洲「ニッポン型上司が会社を滅ぼす!」
  • 17日 霞流一「スティームタイガーの死走」
  • 17日 北森鴻「写楽・考 蓮丈那智フィールドファイル3」
  • 21日 黒田研二「ウェディング・ドレス」

1月
  • 2日 柄刀一「レイニー・レイニー・ブルー」
  • 3日 乾くるみ「リピート」
  • 6日 宋文洲「やっぱり変だよ日本の営業」
  • 7日 土屋賢二「哲学者かく笑えり」
  • 8日 パット・マガー著 大村美根子訳「七人のおば」
  • 10日 森博嗣「タカイ×タカイ」
  • 16日 柄刀一「十字架クロスワードの殺人」
  • 25日 桜庭一樹「少女には向かない職業」
  • 28日 鯨統一郎「すべての美人は名探偵である」
2007'10.31.Wed
綾辻行人「十角館の殺人<新装改訂版>」読了。
北山猛邦「『クロック城』殺人事件」読了。

同じ新本格のくくりなのにだいぶ違いますね。「十角館」、なつかしい。この前古いバージョンを読み返しましたが、それでも今回楽しく読めまし た。かなり大幅改訂のようで、読みやすくなってます。字が大きくなったのが一因です。たぶん。誰かがどこかで言っていましたが、新しいパラダイムに動くと きは、じわじわと移るのではなくて、一発革命的なものが出ることによってシフトする、というのが理解できる一編。

「『クロック城』」、何がなんだかよくわからないうちに話がどんどん進んでいって、最後になっても話の筋は分かりませんでしたが面白かった。謎 解き部分はちゃんと解かれるしいまどき珍しいくらいストレートなのに、そのほかのところがSF。西澤保彦、有栖川有栖絶賛なのもわかります。
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広く浅く物にならない日記。音楽、自転車とか、モノとか。
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