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澱みに浮かぶベージュの蛇 -A Floating Beige Snake on Deposit

もやもやっと、水面から顔を出してます。 みそじ系。

■[Book]推理小説
[2024/11/23] [PR] (No.)
[2007/09/29] 「女王国の城」感想 (No.114)
[2007/09/23] 北森鴻「支那そば館の謎」 (No.104)
[2007/07/16] 西澤保彦「収穫祭」 (No.211)
[2007/04/21] 氷川透「最後から二番目の真実」 (No.209)
[2007/04/15] 乾くるみ「イニシエーション・ラブ」 (No.208)
[2007/03/27] 山口雅也「13人目の探偵士」 (No.206)
[2007/03/25] 乾くるみ/塔の断章 (No.205)
[2007/01/13] 森博嗣/ηなのに夢のよう (No.193)
[2007/01/02] 柄刀一「アリア系銀河鉄道」 (No.192)
[2007/01/01] 2007年に読んだ本 (No.113)
2024'11.23.Sat
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2007'09.29.Sat
有栖川有栖「女王国の城」読了。
15年ぶりの江神シリーズ。途中ご飯やおやつをはさんで、500ページ、ほぼ一気読みでした。読み終わるのが勿体ないと久々に思いましたね。
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2007'09.23.Sun
北森鴻「支那そば館の謎 裏京都ミステリー」読了。

北森鴻、最近よく読んでます。「花の下にて春死なむ」から始まるビアバー香菜里屋を中心とした連作短編集が一番好きで、「蛍坂」が最近文庫落ちしたので読んだところです。その解説に、《裏京都ミステリー》シリーズなるものが別にでている、それはユーモアというよりギャグミステリ、と書かれていたので、早速文庫にてこの本をゲットしました。

ギャグのオンパレードを期待してたのですが、あくまでもエッセンスで留まるものでしたね。他はシリアス。貧乏寺の寺男、しかしその過去は怪盗だった---という設定は大好きなので、楽しく読ませていただきました。やはり、この人は短編の名手だな、と重ねて感じました。バカミスですが、読ませる(バカミスだから、かも)。「不如意の人」が一番笑いました。京都のことはあまり知らないので、謎解きはお手上げ状態のときがありましたが、全然OK、ノープロブレムです。むしろ、京都についていろいろ知ることができて楽しい。

バカミスを謳っている(?)けれども、食事の描写のキレは他のシリーズと変わらず、旨そうです。

一文引用:
『大日本バカミス作家協会賞「鼻の下伸ばして春ムンムン」』
これだけだとひどいので:
『バカミスとはなにか。俺の解釈するところ、バカミスとは現実を悪意と狂気で無理矢理ねじ曲げ、常識から逸脱した世界に浮かぶ犯罪トリックを、嘲笑のロジックでもって解き明かしたシロモノであるらしい。まあ、平たくいえば、「んな、アホな」と脱力するしかない小説である。』

立派にバカミスです。この作品。
2007'07.16.Mon

 西澤保彦は大好きな作家で、多分唯一ハードカバーでも買う人。久々の新作(といっても、半年くらいか、?ブランクは)の「収穫祭」が出ていたので購入。



収穫祭

収穫祭







 1900枚を超える書下ろし。クローズド・サークル(厳密にはそうではないけど)でどんどん人が死んでいくのは「殺意が集う夜」とかに似てますが、全体的なトーンは「黄金色の祈り」のような青春小説が入ってる。そして、「夏の夜会」に代表される記憶の改竄。まさに集大成、という大作。


 しかし、この枚数でこの伏線の張り方、壮絶です。そしてお得意のどんでん返しの連続。最後の方、実はよくわからない部分(わからないのが著者の意図?それともまた別な解があるのか?)があったが、張り巡らした伏線がどんどん収束していく部分ではなんども前を読み返してしまった。厚いし重いから大変。


 すぐ再読したいところだけど、待っている本(源氏物語)もあるのでしばらくしたら。


 いや・・・西澤保彦の長編で言ったら、「神のロジック 人のマジック」以来の大ヒットです。タイトル、黒いです。


2007'04.21.Sat

女子大のゼミから学生が消え、代わりに警備員の死体が。当の女子大生は屋上から逆さ吊りに。居合わせた氷川透はじめ目撃者は多数。建物で入り口はヴィデオで、すべてのドアは開閉記録で見張られる万全の管理体制を、犯人と被害者はいかにかいくぐったのか?奇抜な女子大生と氷川が究極の推理合戦でしのぎを削る!


印象に残った一文を引用。


「それにしてもどうしてこう、男は制服に弱いんでしょうね?」


これをタイトルをしたらもっと面白かった(そして、こういう小説を手にとらない層にアピールできたかも)と思います。その場合、舞台は女子高にする必要がありますが・・・。


と、ここまで書いてタイトルでググッたら、同名のSF小説があるんですね。もしかしたらこれと関連があるのかもしれません。


それはいいとして、物語自体は淡々と、平坦に進んでいくのですが、たまにちくっとした表現が入っていて、薀蓄以外でも楽しめました。多分、もっとドラマティックにしようと思えばできるんだろうけど、あえて淡々と書いているんでしょう。女子大生との究極の推理合戦でしのぎを削る!(概要より)という部分は面白かったです。


2007'04.15.Sun


イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)

イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)







「塔の断章」を読んで、もっとこの人の作品を読んでいこうと思っていた矢先の文庫落ち作品。帯は「評判通りの仰天作。必ず二度読みたくなる小説などそうそうあるものじゃない。」「大反響の恋愛小説!?ついに文庫化」「彼女がマツモトユウコではなりませんように---と瞬間的に願った。ということは、つまり僕はその瞬間にはもう、恋に落ちていたのだろう。(本書より)」。


 最後の抜粋は・・・意図があまり読めないけど、1番目と2番目の文句はそのとおりだと思った。特に2番目の「!?」のところが。本当に、読み終えた後見直した。見直せば見直すほどつじつまがあっていてびっくり。それだけじゃなくて、新しく浮かび上がってくる状況が、これまた、こうでなくちゃ!というもの。短いし快作ですね。


 詳しいネタバレ分析は、ネットで検索するとすぐ出てくるので、楽しむだけ楽しんでからいろいろ調べるとさらに面白さが出てくるかも。


2007'03.27.Tue


13人目の探偵士 (講談社文庫)

13人目の探偵士 (講談社文庫)







もともとゲームブック(!)で出した本をノベライズ?したものとのこと。これでもか、というくらい本格のコードを使ってます(解説で作者自身も言及)。密室、ダイイングメッセージ、アリバイ、暗号、記憶、などなど・・・。主人公は一時的な記憶喪失状態。Who am I?が謎の一つだが、最後の最後でびっくりしました。


こういったコードがじゃんじゃんでてくる作品、最近はあまり読んでいなかったので、久々にぞくぞく感を楽しめた。でも、これだけで話を引っ張ってるんじゃなくて、会話が小粋で、描写もすっきりとしていて(作者本人は描写の密度に不満が残る、と言っているが)、どんどん読み進めてしまえる作品。以前読んだ「奇遇」とはテイストがかなり異なっているけど、同じ人が書いてるんだなぁ、と。


2007'03.25.Sun


塔の断章

塔の断章







この作者の作品を初めて読んだが、まんま、まんまとやられた。作者の想定したとおりに嵌って、不自然な脳内展開をしていたからか、読むのにかなり時間がかかった(といっても、短めの作品なので、たかが知れているけど)。物語の終盤も終盤になって嵌りに気が付くが、もう少々の修正で筋が通らなくなっている。その意味でも、長編だが短くて、切れていて、救われた。そして、他の作品も読んでみたくなった。ミステリのお手本になりそうな作品だとおもった。ミスリードの構造が(以下略)。


2007'01.13.Sat

ηなのに夢のよう (講談社ノベルス)


 Gシリーズ6作目。Gって、ずっとGreekのGだと思っていました。というか思っていますが、他に何かあるのでしょうね。


 最後のところで涙しました。ボーナストラック的に。本編は、怒涛の急展開というか、ドラマティックに恋してというか・・・。推理ものとしてはあんまり楽しくないが、もうこういう方向性なんでしょう。


 ηはHの意味なんですね。ロシア語のИもここから。でもHがイー?粘着係数、エネルギー効率ですか。第2の未知数の方か。


 電車の中で読んでいて笑った一言引用:


 「自殺の途中で大怪我したら、幸か不幸かどっちだ?」:不幸でしょう。痛そう。


 「うどんなのに夢のよう」:途中で加部谷恵美も展開していたが、うどんなんてありふれているものなのに、今は夢のよう、と思う感覚、今回の主題じゃないか。うどんなのに夢のよう、うどんなのに夢のよう・・・いろいろシチュエーションを想像すると笑える。


 あの、天才の姿があるのか!?と帯に書いてあったけど、登場人物見たら瀬在丸紅子が出てきてた。最近漫画版「黒猫の三角」を読んでいたので、年取ったのかなぁ・・・と思った。


 最近四季が宮本武蔵に見えてきた・・・。


2007'01.02.Tue

アリア系銀河鉄道 (光文社文庫)


 この前の日記で書いた、1996年~2005年の本格ミステリベストの中で、文庫落ちしているにもかかわらず読んでいなかった柄刀一「アリア系銀河鉄道」を読んだ。連作短編集。


 最初の「言語と密室のコンポジション」を読み始めて、ものの2~3分で大爆笑してしまった。西澤保彦もびっくりのSF&メタ設定。そして主人公の宇佐美博士は探偵小説オタ。しかし内容は思考実験&文章実験、パズルクイズのような楽しさがある。それに続く「ノアの舟」はお得意の歴史ミステリのような感覚(しかし宇佐美博士の独断的な感情は入れて欲しくない・・・)、「探偵のはこ(はこはカタカナのコの反対の中に甲:魍魎のはこの「はこ」ですな)」はこれでもか、という幾重もの仕掛けでやられました。


 しかし最も面白かったのは表題作の「アリア系銀河鉄道」と、ボーナストラックの「アリスのドア」。「アリア系銀河鉄道」は、読み進めて最後まで引っかかっていた点が解決されて(メタ的にだけどな)すっきり。


 全体的に実験的な小説になっていて、笑おうと思えば笑えるし、しかしちゃんと読むとフェアなのだ(本当か?)。ただ、解説が5つもついてるのはちょっと・・・。


2007'01.01.Mon
【2007年に読んだ本リスト】
★:特に印象が残ってレビューを書いたもの

12月
19日 ボリス・アクーニン「リヴァイアサン号殺人事件」
20日 矢崎在美「ぶたぶたと秘密のアップルパイ」
30日 柄刀一「シクラメンと、見えない密室」



11月
4日 高田崇史「QED 龍馬暗殺」
10日 高田崇史「QED 六歌仙の暗号」
11日 高田崇史「QED 竹取物語」
18日 高田崇史「QED~ventus~ 鎌倉の闇」

10月
6日 柄刀一「マスグレイブ館の謎」
11日 森博嗣「工学部・水柿助教授の逡巡」
14日 佐藤友哉「エナメルを塗った魂の比重」
20日 綾辻行人「十角館の殺人<新装改訂版>」
21日 北山猛邦「『クロック城』殺人事件」
26日 北森鴻「パンドラ's ボックス」
27日  紫式部著 瀬戸内寂聴訳 「源氏物語 巻十」
28日 貴志祐介「硝子のハンマー」
29日 光原百合「最後の願い」

9月
9日 芦辺拓「紅楼夢の殺人」
11日 森博嗣「キラレ×キラレ」
16日 北川歩実「天使の歌声」
18日 北森鴻「蛍坂」
19日 紫式部著 瀬戸内寂聴訳 「源氏物語 巻八」
20日 紫式部著 瀬戸内寂聴訳 「源氏物語 巻九」
23日 北森鴻「支那そば館の謎」★
26日 大倉崇裕「三人目の幽霊」
29日 有栖川有栖「女王国の城」★

8月
3日 天樹征丸/さとうふみや「探偵学園Q めざせ名探偵! DDS入学試験編」
4日 紫式部著 瀬戸内寂聴訳 「源氏物語 巻七」
19日 さくらももこ+土屋賢治「ツチケンモモコラーゲン」
19日 二階堂黎人「ドアの向こう側」

7月
6日 紫式部著 瀬戸内寂聴訳 「源氏物語 巻六」
7日 森博嗣「魔的」
8日 原尻淳一「PLANNING HACKS!」
11日 ミラン・クンデラ「不滅」
16日 西澤保彦「収穫祭」★
18日 森博嗣「悠悠おもちゃライフ」★
21日 森博嗣「スカイ・クロラ」(再読)
22日 森博嗣「ナ・バ・テア」(再読)
23日 森博嗣「ダウン・ツ・ヘヴン」(再読)
24日 森博嗣「フラッタ・リンツ・ライフ」
25日 森博嗣「クレィドゥ・ザ・スカイ」

6月
2日 山口雅也「日本殺人事件」
3日 麻耶雄嵩「名探偵 木更津悠也」
9日 佐々木丸美「崖の館」

5月
14日 森博嗣「イナイ×イナイ」
31日 紫式部著 瀬戸内寂聴訳 「源氏物語 巻五」

4月
1日 多島斗志之「不思議島」
4日 有栖川有栖「作家の犯行現場」
7日 浅暮三文「ダブ(エ)ストン街道」
8日 矢崎在美「ぶたぶたのいる場所」
矢崎在美「クリスマスのぶたぶた」 
9日 近藤史恵「狼の寓話 南方署強行犯係」
14日 霧舎巧「霧舎巧 傑作短編集」
15日 浅暮三文「石の中の蜘蛛」
乾くるみ「イニシエーション・ラブ」★
21日 氷川透「最後から二番目の真実」★
23日 紫式部著 瀬戸内寂聴訳 「源氏物語 巻四」

3月
10日 紫式部著 瀬戸内寂聴訳 「源氏物語 巻二」
15日 近藤史恵「二人道成寺」
舞城王太郎「山ん中の獅見朋成雄」
20日 紫式部著 瀬戸内寂聴訳 「源氏物語 巻三」
24日 佐藤友哉「フリッカー式」
25日 乾くるみ「塔の断章」★
26日 山口雅也「13人目の探偵士」★
31日 黒木亮「トップレフト」

2月
2日 紫式部著 瀬戸内寂聴訳 「源氏物語 巻一」
3日 奥泉光「ノヴァーリスの引用」
5日 谺健二「未明の悪夢」
11日 渡辺純「ビール大全」
14日 柄刀一「ifの迷宮」
18日 エラリー・クイーン「エジプト十字架の謎」
高田祟史「麿の事件簿 花に舞」
高田祟史「麿の事件簿 月に酔」
20日 鳥飼否宇「昆虫探偵 シロコパκ氏の華麗なる推理」

1月
2日 柄刀一「アリア系銀河鉄道」★
4日 柄刀一「凍るタナトス」
13日 森博嗣「ηなのに夢のよう」★
14日 綾辻行人編「贈る物語mystery 九つの謎宮」
16日 愛川晶「ダイニング・メッセージ」
21日 有栖川有栖「白い兎が逃げる」
22日 舞城王太郎「熊の場所」★
30日 トマス・フリードマン「フラット化する世界(上)」
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yuriy
性別:
男性
自己紹介:
広く浅く物にならない日記。音楽、自転車とか、モノとか。
Key Word: BD-1、British pop/rock、推理小説、デジモノ、テニス、折り紙、guitar pop、ボードゲーム?、ロシア、ウクライナ
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